#4 パリのジャムセッションに行ってみない?

フランスっぽいものを食べる会 / パリのジャズスポット本気レコメンド3選
三田珠理 2024.11.30
誰でも

こんにちは。みたじゅりです。

もう11月も終わりですね……!時の流れが早い早い。
年末に向けて慌ただしくなってきた頃かなあと想像しますが、お変わりないですか?

私は今週、フランスに住む日本の友人とフランス名物・ガレットを食べてきました。

14区のCrêperie Le Petit Josselin。私はほうれん草、ハム、たまご、チーズ、クリームのガレットを食べました

14区のCrêperie Le Petit Josselin。私はほうれん草、ハム、たまご、チーズ、クリームのガレットを食べました

私が留学先にフランスを選んだのには色々な理由があったのですが、頼れる人たちの顔が浮かんだというのも今思えばそのひとつ。

何のご縁か、学生時代のクラスメイト、元職場の同僚、仕事で何度もお世話になった方……など、フランスで暮らしていたあるいは現在も暮らしている知り合いが留学を決める前の時点で複数いたんですよね。

おかげさまで「きっとなんとかなる」というなんともまあ他力本願で根拠のない自信を持って臨むことができましたし、実際、何か困りごとが起きるたびに全方位に泣きつき、助けてもらいながらここまでやってくることができました。

ほんと、いっぱい助けられたな〜〜〜〜〜。助け舟、何隻出してもらったかわからない!

ガレット、おいしかったなあ。写真で見るより3倍くらい圧があったけどぺろりと平らげました。それに普段対面で日本語を喋る機会があまりないので、ついついお喋りも止まらなくなってしまった。幸。

パリのジャズスポットを主観たっぷりで紹介します

さて今日は、日本ではまだそこまで語られてなさそうな「パリのジャズスポット」の話をしてみようと思います。

パリはヨーロッパのなかでも有数のジャズスポットらしく(自分の国ではジャズをやれるところがあまりないからパリに来た、という近隣国のミュージシャンたちもたびたび見かけます)、ジャズクラブの数もジャムセッションの数もかなり多い印象。

そのうち私が行けたのは勿論ほんの一部ですが、なかでも繰り返し通ってきた3つのお店を紹介します。

① 38riv Jazz Club

なんていうか、洞穴っぽいなと行くたび思う

なんていうか、洞穴っぽいなと行くたび思う

4区のHôtel de Ville(ホテル…ではなくパリの市庁舎)からすぐのところにあるお店。私がパリに来て初めて行ったジャズクラブはここでした。

最初に言ってしまいますが、もしパリに来て「ジャムセッションに行ってみたいけど、時間的にどこか1か所しか行けない」という場合はここがおすすめです!

スタートは23時ですが、はじめの1時間はホストのミニライブなので、実質ジャムは0時過ぎ〜3時前くらいまで。私のような朝型人間の方は覚悟して臨みましょう。笑 メトロの終電も1時前後で終わるので、終わりまで居たい場合はバスかUberでの帰宅を視野に入れると良いと思います。っていうか海外のジャムセッション、夜遅すぎん????(本音)

また、ここは月水土がジャズジャム、火木がファンクジャム、金曜はグルーヴジャム、と曜日でジャンルが決まっています。

初めて行った日はセッション参加の仕方もわからず、ただ見て帰った

初めて行った日はセッション参加の仕方もわからず、ただ見て帰った

地下にある隠れ家のような空間いっぱいに熱気が充満していて、はじめの頃は参加しますと手を上げるのもかなり緊張しました(セッションのスタイルも日本とちょっと違うからそれもまた書きたいなあ)。

常にお客さんでいっぱいだし、あとこれはここで紹介する全店共通で言えることですが、リスナーが本当に幅広い!嬉しそうに耳を傾ける老夫婦からおしゃぶりをつけた幼子まで笑、これぞ老若男女と言える層の厚さで、その光景を見るたび「いいなあ」と思います。

ジャズに限らず、いい意味で芸術に対する敷居がめちゃくちゃ低い国なんだろうなあ。

それと、リスナーはチャージ+ドリンク代がかかりますが、ミュージシャンはなんと無料。それに人が多すぎて入店待ちの待機列ができても、ミュージシャンは優先して入れてもらえます。

ただミュージシャンとして入店するには店が発行する「ミュージシャンカード」が必要で、これをもらえるかどうかの線引きが恐らくはっきりしていないのがフランスっぽいなと思うところ。笑

私も初めはそれと知らず普通に支払ってセッションに参加していましたが、何度か行くうちに受付のお姉さんに認知され、カードをしれっと渡されました。

牛さんマークが目印。私は1枚目が満杯になって2枚目。満杯になったカードは店の階段に張り出されているので、行かれた方はぜひ私の名前入りカードを探してください。笑

牛さんマークが目印。私は1枚目が満杯になって2枚目。満杯になったカードは店の階段に張り出されているので、行かれた方はぜひ私の名前入りカードを探してください。笑

友人はカードをもらうまでに1年近くかかったと言っていたので、はっきりした制度がなくスタッフさんの気分やタイミングの問題なのかなと思います。笑

② Sunset/Sunside

ご飯処だけでなく、ジャズクラブにもテラス席がある国、フランス

ご飯処だけでなく、ジャズクラブにもテラス席がある国、フランス

38rivからChâtelet駅方面に歩いて10分ほどのところにあるお店。というかここで紹介する3店、4区と1区で区は跨ぎますがどれもめちゃくちゃご近所です。なんなら他のジャズクラブも近くにあるし、この辺一帯がそういうエリアっぽいですね。

店内は2フロアで、1Fが“Sunside”、B1が“Sunset”。それぞれほぼ毎日企画をやっていますが、ジャムセッションは大体1Fの“Sunside”で行われています。

ジャズジャムは毎週月曜で、日曜日にはボーカルジャムも行われています。時間は38rivと比較すると少し早くて(ていうか38rivが遅過ぎるんじゃ)ホストのライブが19:30〜と21:30〜の2セットあり、ジャムは22:30頃から大体日付けが変わるくらいまで。

ここもミュージシャンだとチャージはかかりませんが(入店時の申告制)、ドリンク代は必須。ジュースだと5€から、お酒はもうちょっとかかるかな。

余談ですが私はこの店でパイナップルジュースの美味しさに目覚めたので、 “Jus d'ananas s'il vous plaît.(パイナップルジュースください)”だけは強い自信を持って言うことができます。笑

2024年のジャムセッション初めはSunsideだった

2024年のジャムセッション初めはSunsideだった

38rivと比べると店が広く客席数も多いし、ステージがあるので演る側/観る側の関係性はよりはっきりしてるかも(38rivは良くも悪くも店全体がひとつのエネルギーの塊みたいだから……)。のんびり聴きたい人にはこちらがおすすめですし、体感ですが38rivよりもセッション参加のハードルは低い気がします。

38rivと次に紹介するLe Baiser saléは2〜30代中心でセミプロ以上が多く参加するイメージ。Sunset/sunsideはもう少し上の世代の方も多く、一方でジャズ勉強中の学生がチャレンジする姿もよく見かけるような感じ。なおすべて私の体感です。笑

あとちなみに、なぜか韓国からの旅行客をよく見ます。明らかにここだけに集中しているから、韓国向けのガイドブックに載ったり口コミが広まってるのかなあ?日本から来た方を見かけるのは大抵38rivです。

③ Le Baiser salé

ぎらぎらネオンがかわいい

ぎらぎらネオンがかわいい

先ほど「どれも近所」と言いましたが、なんとこのLe Baiser salé(ル・ベゼー・サレ)はSunset/Sunsideの真隣です。

1Fはバーで、2Fがステージになっています。ジャズジャムは隔週日曜で、月に2回。他の日曜はネオソウル系のジャムやアフリカンジャムをやっていて、それぞれ一度ずつ行きましたが定番曲が一切わからずただ聴いて帰ってきました。笑 時間配分はSunset/Sunsideと大体同じです。

ジャムセッション、ライブどちらも行きましたが3店のなかで最もショー的なムードが強い気がします。「魅せる」意識が強いというか。ステージの正面と両脇に客席があって三方ぐるりと見渡せるような配置になっていたり、ステージの背後にデカデカと店名をかたどったネオンサインが飾られていたり、店の雰囲気自体エンタメ色が強いのかも。

それに他2店と比べて店内が明るいので笑、その分アンダーグラウンド感は少なめ&安心感強めです。

演奏を楽しんでいると突然スタッフさんがものすごい手際で会計をしにくるので予め心しておきましょう

演奏を楽しんでいると突然スタッフさんがものすごい手際で会計をしにくるので予め心しておきましょう

先述のとおりホストミュージシャンや参加者のメンツは38rivと半分くらい被っていますが、こちらの方がボーカリストを見かける率は高めかも。それに「ジャズジャム」と一口に言っても、いちばん何でもアリなのがここな気がします。持ち込む楽器(この間二胡奏者見た)もコールする曲も、いい意味で「ジャズスタンダード」の型にハマらない自由さをいちばん感じる場所。

多国籍の人々が共生することが日本よりよほど当たり前な国なので、ミュージシャンの国籍やルーツも本当にさまざま。シンガーも誰一人として似たような人がいなくて、すごく面白いし個人的にも物凄く刺激を受けます。

結局自分らしい表現って自分の根っこからしか絞り出せないんだよなあと痛感する日々。海外生活あるあるですが、「日本で育った自分」「これまで歩んできた道のり」を見つめ直すいい機会になりました。

ここは演奏するしない関わらず3€+ドリンク代。3店のなかでは一番高くつきますが、それでも日本の多くのジャムセッションと比べるとかなりお安いと思います。ありがたや。

というわけでお気に入りの3店を紹介してみました!好きなものの話、つい詰め込んで喋りがち。

今後もしパリに来られる機会がありましたらぜひチェックしてみてくださいね◎

「他にもこういう話を聞いてみたい」などリクエストがあればコメントか、以下匿名でメッセージを送れるマシュマロを設置したのでぜひ聞かせてください!もちろんレターの感想だけでもはちゃめちゃにうれしい。

長くなったので今回はこのへんで。

もう2024年もあと少しですね〜!何かと忙しない年の瀬かと思いますが、よく食べよく寝て、よく笑って過ごせますように。にひ

みたじゅり

📢info: 帰国ライブやります!🇫🇷✈️🇯🇵

✯2025年2月6日(木)
✯18:30 open / 19:00 start
✯ギンザレコードクラマエ(蔵前駅より徒歩1分)
✯レスリエ(Vocal 三田珠理 / Bass 木村俊介)
✯ご予約はこちらのリンク🔗から、もしくは私まで直接ご連絡ください🙌

曲と構成のイメージも大まかにできてきました🥳 ふっふー🥳 日本に戻るまでにできるだけ曲を自分のものにするぞ〜〜〜🔥🔥🔥


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